食文化

 食べ物の文化を向上させよう! そんな集団に10年ほど加わっていたことがある。

 食べ物に対する、思想や行動をランク分けすると、大きく5段階に分けることが出来た。

 第一段階は何が何でも食べるレベル。食べなければ生命の維持が出来なくなってしまう、何も無い平野のまん中で、一つの食べ物をライオンと争う事もあるかも知れない。もっとも、生命に危険があるほど物を食っていない人が、ライオンと戦えるのかなどと気にしてはいけない。

 第二段階は腹いっぱい物を食べたいと考えるレベル。以外と日本にもこのタイプが多いような気がする。

 第三段階はうまいものを食べたいと言うレベル。人間は贅沢になり昔の事を忘れるものだ、何しろ美味しく無いから食べないと言うのだから。ここで一つ、美味しく無い・まずいということは無いのです、表現するならば「私の口には合わない」と言って下さい、生活や習慣によって食感は様々です。

 第四段階は味だけで無く、香りや見た目の美しさ、その場の雰囲気まで楽しみたいレベル。一流のレストランで心地よい音楽につつまれ、香草などもふんだんに使い、芸術的に盛り付けられた料理を楽しむ、勿論のことここまで来ればテーブルマナーも欠かせない。

 そして最後の段階は、この次に来る未知の世界だ。そのようなレベルがあるのかと思われるかも知れないが、第一段階の頃に食べることに音楽が必要と思っていた人がいただろうか?

 一流の料理と言うと、フランス、イタリア、中国、京都などを思い浮かべてしまうかも知れない。しかし、思い掛けないところで素晴らしい食べ物と出会った、それが第五段階の食文化と成るわけでは無いのだが。

 入院していた時の事だ、そう言えばもうお解りいただけると思うが、入院患者に出て来る食事の事であります。これは評判が悪い、自分もそう思っていた。だが、入院して数日が過ぎていくと、病状は落ち着いてきてしまうし、なにしろ暇なのでやることを探そうと思うが何も無い。毎日、新聞数紙と雑誌や単行本数冊を読みつくしてしまい、女の子でもあれば日記でも書くのだが、面倒臭いことはやらないのである。そうして、飯でもゆっくり食ってみるかと思った、いつも5分程度で食べてしまうから、ゆっくり食べれば10分かかるかも知れない。

 意外なことに人参やキャベツの味がする? ゆっくり食べると、楽しみがあることに気がついた。今まで美味しいと言ってきた食べ物はキャベツの味では無く、塩や油などの味を美味しいと言ってきたのでは無いでしょうか、確かに調味料がでしゃばり過ぎている料理が多すぎる、そしてそれらが評判が良いのも事実である。そしてこのことを、誰に話しても信じてくれない。

 限られた時間と予算の中で、もちろん栄養的にも配慮して、病院によっては数百食を患者に合わせて調理していく、これはかなり素晴らしいことでは無いのでしょうか。病院食が檜舞台に上がることも無いでしょうが、それを作っているおばさん達はもっと感謝されるべきでは無いでしょうか。

 食文化を考えて10年、そして出た答えの一つがこんなことであった。