葱を買ってきた

葱を買うのってなんか・・儀式だ!
一人暮らしの男が葱ってあまり買わない気がする、キャベツやもやしは買っても、葱ってどうなの??  おいらは野菜好きだから、たまに買うけど、帰り道にスーパーの袋から葱の葉っぱが飛び出しているのも、若い頃ってなんとなく恥ずかしかったような気がしたけど・・・。
そんな葱をまな板にのせて思い出すことがある。

昔、おいらは八百屋さんで働いていたことがあった、街の中でもあまり大きくは無いお店だったから、近くの大型スーパーには負けられないなって頑張っていました。

その八百屋さんでは、だいたい葱が毎日一箱ぐらい売れていた。近所の焼き鳥屋さんが大型スーパーの定休日に仕入れに来た、ネギ間に使うから細めで中身がしっかりした物じゃないと困るらしい。新しいネギの箱を開いてから、希望に添える葱を30本丁寧に選んであげたら、とっても喜んでくれました。

その焼き鳥屋さんの紹介で、ラーメン屋のおやじが仕入れに来てくれました。こっちは、名物葱ラーメンに入れるらしい、葱を縦に割って細長く刻むために、なるべく太いものじゃないと困るらしい。葱の箱から希望に添えるように、太いものから15本選んであげたらとても喜んでくれました。

次の日は葱を二箱仕入れました、そして開店前に細いものから30本と、太いものから15本選別して取っておきました。勿論、焼き鳥屋もラーメン屋も仕入れに来るとは限りませんでしたが、なんとなく来るかなって思っていました。

そして、毎日決まった時間にその二人は、葱を買いに来てくれるようになりました。
「明日は○曜日だから10本ぐらい増やしておいて」
こんな会話も普通になって、もちろん葱以外の野菜も沢山買って貰えるようになったので、とっても良いお得意様になりました。

残念なことに私が他の店舗へ移動になり、その後聞いた話ではその二人は、大型スーパーに仕入れに行っているようです。

葱が細いか太いかで、とても良い人間関係が保てました、きっと葱だけじゃなくて、気が付かないだけで・・・どんな物にも、沢山のチャンスが隠れていて気が付かないで逃がしちゃっているのだろうと・・・、そんなことを考えていて、今日の「葱」は焦げてしまいました。